《MUMEI》
私の話はこれで終わりだった。
感情なんて無くしてたと思ってたけど、涙が止まらなかった。
「早紀はその幸せが今の早紀にとっても一番の幸せだと思っているの?」
「……ううぅ…」
「そうだよ早紀ちゃんは他の幸せをちゃんと見つけてるはずだよ」
「…うぅ…………わからないよ」
「私達は早紀が゛それ゛を望めばそうなると思ってるよ」
「私達は味方だよ。早紀ちゃんは自分自身で病気に打ち勝つほど強いんだよ。だからもう一度真剣に考えて」
「私は打ち勝ったんじゃない。逃げたの。だから強くなんてない」
「私は今まで早紀がこんなことを抱えてるなんて気付けなかった。それは許して、ごめん。
だから私にチャンスを欲しい」
「チャンスって?
何を言ってるか分からないよ」
「私達がこれから幸せになるチャンス。
それを考えて」
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