《MUMEI》
香奈の涙
香奈の話を聞いていても

俺は、やっぱり上の空だった。

香奈が少し大きな声で俺を呼ぶ。

俺は、我にかえった。

香奈は、いつの間にか

うさぎを取り出していた。

香奈に心配をかけまいと大丈夫だということを

伝えると

香奈は悲しそうな顔をして言った。

「ねぇ、優斗・・・・・

私、優斗のこと

もっと知りたいよ・・・。

私も優斗の世界に

ちゃんと入れてよ・・・。

優斗・・・。






ねぇ、好きだよ・・・。」

そう言い終わると

香奈は、泣き出してしまった。

俺は、近くにあった公園に入り、

香奈をブランコに乗せて

自動販売機まで

走って行き

ジュースを買い

香奈のところまで行って

香奈にジュースを手渡した。

香奈は「・・・・・ありがと。」っと少し微笑んでみせた。


俺は、大きく深呼吸をして言った。

「香奈。ごめん・・・。

俺は、香奈の気持ちには答えられない。」

香奈は「理由を・・・

聞かせて・・・。」っと言った。

俺は、少し迷い

そして言った。

「好きな子が・・・

いるんだ。

だから香奈の気持ちには

答えられない・・・。」

香奈は、それでも

じっと俺のことを見つめている。

そして口を開いた。

「・・・好きな子って

私の知ってる子???」

俺は、頷き

「俺・・・



江上のことが


好きなんだ。」っと言った。


香奈は、一瞬目を見開き

そして下を向いて

泣き出してしまった。


俺は、どうしていいか分からず

ただ隣にいた。

しばらくして

香奈は泣きながら

小さな声で


「どうして・・・?

どうして瑠衣なの??

何で

私じゃあ駄目なの・・・?」っと言った。

俺は、返す言葉が見つからず

黙って聞いていた。

香奈は続ける。

「みんな瑠衣ばっか・・・。

どうして・・・・・。





ねぇ優斗・・・?

瑠衣から私の話聞いた?」

俺は、首を横に振った。

そして、俺は

江上と香奈の過去について知ることになる。

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