《MUMEI》

―――…………



――――……………



ピッ…ピッ…ピッ…ピッ…



「―――………」


ゆっくりと、目を開けると、見知らぬ天井が。


「………」


(……ここ、は………)


「っ……?」


手を、強く握られていることに気付き、目を細めた。

「………、ぇ…」


下の方に頭を上げると同時に、驚いた。


だって、俺の手を握っているのは…



「…や、やす、と…?」


「ん……、…!有人!!」

安斗は飛び起きてものすごい目で俺を見下ろした。

「有人!有人!!大丈夫か!?」


すごく疲れた安斗の顔。


「安、斗……俺……」


「っ…、有人っ…!」


力強く抱きしめてくる安斗。


あぁ、暖かい…
俺、俺……


「安斗…、ごめ、ごめん……っうぅ…」


何も言わずに俺を抱きしめる安斗。

でも、雰囲気で泣いているのがわかって、それだけで俺も泣きそうになって。


俺は、重く上がらない腕をなんとか安斗の背中に回して、安斗に負けないくらいギュウって抱きしめた。

前へ |次へ


作品目次へ
感想掲示板へ
携帯小説検索(ランキング)へ
栞の一覧へ
この小説は無銘文庫を利用して執筆されています。無銘文庫は誰でも作家になれる無料の携帯・スマートフォン小説サイトです!
新規作家登録する

携帯小説の
無銘文庫