《MUMEI》
―――…………
――――……………
ピッ…ピッ…ピッ…ピッ…
「―――………」
ゆっくりと、目を開けると、見知らぬ天井が。
「………」
(……ここ、は………)
「っ……?」
手を、強く握られていることに気付き、目を細めた。
「………、ぇ…」
下の方に頭を上げると同時に、驚いた。
だって、俺の手を握っているのは…
「…や、やす、と…?」
「ん……、…!有人!!」
安斗は飛び起きてものすごい目で俺を見下ろした。
「有人!有人!!大丈夫か!?」
すごく疲れた安斗の顔。
「安、斗……俺……」
「っ…、有人っ…!」
力強く抱きしめてくる安斗。
あぁ、暖かい…
俺、俺……
「安斗…、ごめ、ごめん……っうぅ…」
何も言わずに俺を抱きしめる安斗。
でも、雰囲気で泣いているのがわかって、それだけで俺も泣きそうになって。
俺は、重く上がらない腕をなんとか安斗の背中に回して、安斗に負けないくらいギュウって抱きしめた。
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