《MUMEI》
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召使に髪を梳かせ、寝巻きから赤いドレスに着替えた。

広間に向かう途中、召使たちが頭を下げる。

「おはようございます、王女」

「ご気分はいかがですか」

「今日もお美しいです」

いつもは気分が良いのに、今日はあまりよくない。


朝食室(食堂)へ行くと、すでに朝食の準備は出来ていた。

朝食室は、陽がよく入る素敵な空間だ。

席について少したつと、ラピスレーラも来た。

彼女は私の双子の妹で、第二王位継承者だ。

顔は一緒だが、髪の色が違う。

私はお父様譲りの金髪、ラピスレーラはお母様譲りの紺色の髪だ。

「おはよう、ファルミーア」

ラピスレーラが華やかに微笑む。

「おはよう。ラピスレーラ」

「いい朝ね」

「そうかしら」

「そうよ。とてもいい天気。『塔』にはこんな部屋なかったもの...」

「そう」

ラピスレーラは小さい頃、難病にかかり一人塔に幽閉されていた。

だが、2年前、奇跡的に病気を治したラピスレーラは城でこうして暮らしている。

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