《MUMEI》
お弁当
「あれっ、芹奈珍しい。ストレートティーなんて」

みんなと机をくっつけてお弁当を食べていると

隣に座った翼が、缶入りのストレートティーを見て目を丸くした。

「う……うん、なんか今日はそんな気分?」

「ふーん。あ、その卵焼き食べたーい」

「いーよー」

やった、と喜んで卵焼きをつまむ翼の横で

ストレートティーを飲んでみる。

甘みの薄い、渋い味が舌の上に広がった。

甘いジュースが好きな芹奈にしてみると、大人の味だ。


侑くん、今これと同じの飲んでるのかな。

そう思うと、胸がくすぐったくなる。

他愛のない話で盛り上がりながらお弁当を食べていて

ふと、思い出した。

もうすぐ、大翔の誕生日だ。

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