《MUMEI》
片思い×片思い=恋人
帝光中学3年
バスケ部
「黒子っちー!」


黒子っちが大好きです


「おはようございます。黄瀬くん」
礼儀よく頭を下げて挨拶をするといつも通りスタスタと何処かに行ってしまう

あ、俺って嫌われてる

って思う今日この頃


「黄瀬ちーん、一緒に弁当だべよ〜」
昼になると紫原っちが誘ってくれたが
早く黒子に会いたいという気持ちで一杯だから断ろうとしたが
「あれー…どこ行くの?黒ちん所?」

「なんでわかったんスか…?」
すると、ニヤニヤし始め
「あれ?図星〜?もしかして黒ちんの事すっ…」
俺は紫原っちの持ってた袋の中に手を入れて2、3枚取りだし紫原っちの口に詰め込んだ
「紫原っち何言ってんのかわかんないっス…アハハハ」
紫原っちはそのままポテチを飲み下してから
「黒ちんか〜…あ、聞かれたくないよね?屋上行こ〜」
と、強引に引っ張られ屋上に連れていかれた
「ね?ね?好きになったのはいつ」
あり得ないほどの執着…
今までお菓子意外に見たことがなかった
「えっか…関係ないッスよ!!」
多分、俺の顔は真っ赤だろう
「えー、バスケ部じゃん」
「それと、これとは、別っス!!」
すると、何かを思い付いたらしく
「ん〜…あ、なら黒ちんがどう思ってるか教えてあげようかー?」何故こんな事言うのかは全くわからなかったが…
「教えて欲しい?」
「欲しい…す」
俺は黒子っちの本心が嘘でもいいから聞きたかった
「黄瀬くんは、間抜けでおっちょこちょいで子犬みたいでバカで鈍感ですけど
優しくてカッコよくてとてもたよりになります」
背後から聞きなれた大好きな声が聴こえた
「くっ黒子っち!?」
さすが…
黒子っちはもうすぐそこまで来ていて
逆に気づかなかった自分が情けなく思えた
「い、いつから!?」
「ずっといました」
「えっじゃあ…」
一気に顔が青ざめる
黒子っちに嫌われたらどうしようと
しかし、それは不要だったようだ
「黄瀬くんは好きですか?」
「へっ?何が…」
「僕がです」
クスッと笑うともう一歩近づき
「僕は黄瀬くんが好きです。大好きです。」
「なっ…」
青ざめた顔が一気に火照り
「もう一度、黄瀬くんは僕の事好きですか?」
ゴクッと生唾を飲んだあと
「……っす、すきっス!!」


「って事もありましたよね?」
と昔話を淡々と話す俺の恋人
「あーあー!!聞きたくないっス!!」
黒子っちの話の妨害をすると
「そういえば…まだ紫原くんにお礼をしていません。」
………?
「お、れい?」
俺がキョトンとした顔で見ると
クスッと笑い
「紫原くんが黄瀬くんの甘酸っぱい恋のお話を見返りもなしに聞くと思いますか?」
「さてと…黄瀬くん行きますよ。勿論黄瀬くんの奢りで」
黒子っちはいたずらに微笑んだ
「はぁ…しょうがないっす」
俺もつられて微笑むと黒子っちの後を追い、俺の片方の手と黒子っちの片方の手で恋人繋ぎをした


片思い×片思い=恋人end

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