《MUMEI》 自分の気持ちに気づいても去年もおととしも、大翔の誕生日は一緒にお祝いした。 一緒にケーキを食べて、プレゼントをわたして。 来年もお祝いしようね。 そう言った時、大翔はくすぐったそうに笑った。 あの約束をしたのは本心からだった。 でもそういうことが思わせぶりになってしまうなら もうあの約束は守れない。 だって気づいてしまった。大翔に対する自分の気持ちにも 侑に対する自分の気持ちにも。 どうにかしなきゃいけない。 それはわかってる。 でも、どうやって? まだはっきりと気持ちを うち明けられたわけでもないのに 何をどうすればいいんだろう。 ―――全然、わからない。 前へ |次へ |
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