《MUMEI》
『閑話休題のお時間です。』
とりあえず三津凜夏さんを鉄の処女から出し、社の下に埋めた。
運が良いのか悪いのかは解らないけどここの神社には神主が居なかった。

そして僕達は神社で眠ることにした。
明日に備えて。
明日にはここを出て、ゆっくりしたいな。
「おい、明日どうする。」
どうするって…
「どうもしないよ、僕は。」
「……あぁ、お前はそういう奴だったな。」
僕の答に納得したように苦笑する千里。
因みに言えば、千里はあまり笑わない。
理由は
『表情筋が疲れる』
とのこと。
つまり笑うのが面倒らしい。
僕はとりあえず笑ってるけどなぁ。
そっちの方が印象は良いだろうし。
まぁその話はまた別で。
「ところで、この仕事は誰からの依頼?」
「三津凜夏。」
千里は固有名詞だけ出した。
「あの遺体からして死亡したのは3ヶ月くらい前だろうな。だが依頼が来たのは3日前。わざとずらしたんだろうな。」
なんで、ずらす必要があったんだろう?
わざわざそんなこと、するかな…
「まぁ、知らなくてもどうせ結果は同じかな」
「……まぁな」

僕達はつくづく最低な人間だ。

だから、気付かない振りをしたんだ。
神社の外で不気味な眼差しで神社を見る、一人の男に。
僕も千里も、知らない振り。

安心して?
ちゃんと、明日には終わらせるから。

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