《MUMEI》 決心「でもそれって、今度こそ大翔のこと意識しだしたってことでしょ?」 「あー、そかそか」 ほほえましい笑い声。みんな疑ってない。 大翔が私のことを想ってくれてるみたいに 私も大翔が好きなんだって。 このままじゃダメだ。 大翔を避けていたって何の解決にもならない。 ちゃんと言わなくちゃダメなんだ。 みんなにも。大翔にも。 「あのね、私……っ」 「芹奈っ」 決心して口を開いたとたんに呼ばれて 芹奈は言葉を切った。 ふり返ると―――大翔。 「話があんだけど。ちょっと来て」そう言った大翔の まっすぐに芹奈を見たままそれない目を見て わかった。話というのが何なのか。 前へ |次へ |
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