《MUMEI》 告白「俺と付き合って」 こちらを見つめる大翔の目はまっすぐすぎて 怖いくらいに真剣だった。 「芹奈のことずっと好きだった。 親が離婚して俺がへこんでる時もそばにいてくれて それからずっと好きなんだ。 約束した今年の俺の誕生日は 友達としてじゃなく、彼女として一緒にいて」 約束―――『今年も一緒にお祝いしようね』 ああ言ったのは私だ。 私が自分で大翔に約束した。 だけど私は気づいてしまった、自分の本当の気持ちに。 大翔は真剣に想いを伝えてくれた。 だから、だからこそ、私もちゃんと言わなくちゃいけない。 約束を破ってしまうことになっても。 目をとじたあと、背骨に力を入れて 芹奈はまっすぐに大翔を見つめた。 前へ |次へ |
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