《MUMEI》

 






……………………………。





よし、




逃げよう。













めんどくさいことに巻き込まれたくないし居づらいし、なにより……この人怖い。



まぁ、それが大半を占めているんだけど







気付かれないようコソコソ極力音をたてないよう出ていこうとすればギロッッ!と睨み付けられる



あ、やっぱ無理?












「何処行く気だ」

「ト、トイレ」

「トイレ?なんだそりゃあ」





あートイレとか西洋系の単語は通じないのか、めんどッ!






「厠!厠に行こうかなと…」

「逃げる気だろ」

「…………………いえ全然」

「なんだ今の間は」











逃がしゃしね―。と言わんばかりのオーラを立ち込めながらあたしに目線を送る。


え、何?ビーム出るんじゃない?目からビーム出るんじゃない?



そんなことを心内輪で思っていると男は何を考えたのかその場で立ち上がり、あたしを見下げながら












「ここじゃ埒が明かねぇ。ついてきてもらおうか」

「……え、何処に…?」

「てめえが知る必要はねぇ」







え?無いの?理不尽じゃないでしょうか。





男はあたしの手首を乱雑に握り締め無理矢理立たす。あたしは短く声をあげ、身体がよろけた。














「これも持っていくぞ」









これとは制服のことだった

多分調べる為と重要な物的証拠だからだろう…。




抵抗できるわけもなく強制的にあたしは男のなすがままに手を引かれた。















 

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