《MUMEI》 さわがしい教室「……ごめん、大翔……」 大翔のこと大好きだよ。 大好きなのに、大好きだけど その『好き』は恋じゃない。 胸苦しいような気持ちで戻ってくると 一年六組の教室はなんだかさわがしかった。 ためらいがちにドアを開けると 教室の一角にかたまっていた翼や 愛李や、グループの友達が 「あっ、戻ってきた!」 と顔を輝かせて芹奈をふり返った。 「おめでと――――っ!!」 ……え? 意味がわからない芹奈に みんながはしゃいだ様子で駆けよってくる。 「とうとう告われたって!? やったねー!」 「あ……え……」 「ねね、やっぱドキドキしたっ?」 なに、この雰囲気……? 芹奈は大翔の姿をさがした。 前へ |次へ |
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