《MUMEI》

 







▼▽








「で、誰?その子。まーさか遊佐さん女遊館で買ってき………「ちげぇ!!!」








〜二十分前〜





屋敷を出て、グイグイ突き進みたどり着いたのは何故か門前の前に赤い鳥居と両サイドには紅組と白字で書かれた赤提灯




やっぱり解らないなこの世界…








鳥居をくぐり抜け男がガラッと引き戸を引けば丁度居合わせたもう一人の栗毛の男。










「あ、おかえりなさい遊佐さん。」










口元を和らげ笑いかける栗毛のイケメン。そして今に至る














「なんだ〜。遊佐さんが初めて女の子連れてきたからからかってやろうと思ってたのに」

「からかうってどうゆう意味だコラ」

「ぶっちゃけ爆笑してやろうかと」

「久我ァ!てめえ!」

「じ、冗談冗談!ほらしまって刀」

「………………チッ」








苛立ちながらもカチンと鞘に納める。







―――――――――――なんだろココ、







あたしが不思議にキョロキョロ辺りを見回していると遊佐と言われていた金髪男が苛立ちを露にしながら



「落ち着きねぇな、さっさと取り調べすんぞ」

「と、りしらべ……」








マジかい。やっぱあたしピンチかも…











「え?取り調べ?何々この子悪さしたの?」

「いや、怪しいだけだ」

「何ソレ、気を付けないと冤罪にしかねないよ」

「これを見てみろ」






バサッと久我とゆう栗毛男の目の前に差し出されたのは星夜の制服。


久我の頭には”?”のマークが飛び交う








「何この薄手の布」

「コイツの着ていたものだ」

「え!?これ?露出が半端なくない?」

「気になんのはそこじゃねぇ。形も奇抜でこんな生地を扱っている呉服屋なんて見たことも聞いたこともねぇ。コイツは一般市民とは違う」

「…確かにねぇ、でも調べるのめんどくさいから斬っちゃいます?そうすればいろいろと手間がはぶけるし」








語尾にハートマークが付きそうな勢いの言い方に星夜は顔を青くしながら「え!?」と裏声になりながら驚くと、久我とゆう男は「冗談だよ」と笑ってきた。




―――――――なんなんだよコイツ、









内心の読めない男に対して疑心が募る。










「中入れ」

「あ、靴は?」

「へーソレも面白い形してるねぇ」

「貸せ。その布と一緒に預かる」








おずおずと差し出せばバッと引ったくるように奪われた











「今日はまだやることがある、てめえを調べんのは明日だ。久我、コイツ連れてけ」

「遊佐さんの部屋でいいじゃないですかめんどくさい」

「………………………」






無言のまま鞘から刀を抜く遊佐、

久我はため息をつき、足早に歩きながら




「はーい遅れないよう着いてきてー」とだけ言って立ち去ろうとするので星夜も慌て久我に着いていく。







 

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