《MUMEI》

 






―――――――――――――――
―――――――――――――






チュンチュン…。










「……………………………………」













朝だ。


いや、今のチュンチュンはあたしの頭の中の演出です。だって地下だから聞こえないよ☆



朝ってわかったのはあたしが出口に一番近い牢屋なので日の光が出口の扉から隙間を通して見えるから












「…………………一睡も眠れなかった」









そりゃそうだよね、あんな怪談聞かされたら眠りたくても眠れないよね。うん、殺意が湧くよ。




そうしてたら出口の扉が開いた。スタスタ下りてきたのは昨日の怪談男




殺意が湧くよ☆














「おはよ―今日はいい天気だね」

「よくまぁそんなことが言えますね」

「寝れた?」

「よくまぁそんなことが言えますね」

「アハハ面白ーい」









殺意がドッキュン











「………ハァ、で、鍵開けてくれるんですよね」

「そうだね、残念だけど」

「………………………………」











面倒くさ気に鍵を取りだしガチャンと開ける。あたしは埃っぽい毛布を取り払い出ようとした瞬間待てと止められた。











「なんすか?」

「両手出して」

「??」





その発言に対してよくわからないまま手を差し出す





「そうじゃなくてこう手の内側を合わせるようにさ」

「……………………」








要望が多いなと思いながらも言われるようにする



するといきなりロープを取り出しあたしの手首にグルグル巻き付けていく。

あたしは驚き目を見開きながら男の顔を見上げる












「なっ!コレ、ちょっ!あたしにそんな趣味はありませんよ!?」

「なに変な勘違いしてんのさ。これは君が安全だと認められていないからだよ」

「はぁ!?」

「さぁ行こうか―」

「ちょ、グアッ!!」








無理に引っ張るもんだからバランスを崩し転けそうになる。










 

前へ |次へ


作品目次へ
感想掲示板へ
携帯小説検索(ランキング)へ
栞の一覧へ
この小説は無銘文庫を利用して執筆されています。無銘文庫は誰でも作家になれる無料の携帯・スマートフォン小説サイトです!
新規作家登録する

携帯小説の
無銘文庫