《MUMEI》 「えっと…………」 「嘘かどうか試したんだよ」 「は?」 立っている久我に顔を向ける 「い、いまいち理解が…」 「人間危険な状況におちれば直ぐにボロがでるんだけど、君最後まで自分の言葉を曲げなかったでしょ?嘘じゃ無いってことだよ」 「…………信じて、くれるんですか?」 「家がねぇってことだけだ。親や親戚はいるのか」 「……いません……」 「…………………チッ」 え、今舌打ちした? 「ならあの布と履きもんは何だ」 「………信じてくれるなら話します」 「…………どうゆうことだ?」 「あたしも自分自身曖昧で、信憑性が無いんです」 「………どうでもいい、言え」 どうにも言わなくちゃいけないらしい。 不安がりながらあたしはこれまでの経緯を全て話すことにした。 ▼▽ 「へー、違う世界から」 「信じれねぇな」 「も―!だから信憑性無いって言ったじゃないですか!」 「いちいち騒ぐな鬱陶しい。で、あの布はてめえの世界じゃ普通ってわけか?」 「はい、って言っても学生だけなんですけどね」 「女も男も?」 「いや、男は違いますよ。履きたいですか?アレ」 「アハハ―無理だね、死んでも嫌だ」 やっぱりね、 「あ、あたしからも質問いいですか?」 「なんだ」 「えっと、昨日花ちゃんから時代の名前と年数は聞いたんですけどあとのことはさっぱりわからなくて……貴方達って同じ赤い着物ですけど一体何の集団で?」 「これは着物じゃねぇ、羽織袴だ。そんで俺達は、」 「この土地周辺を仕切る紅組一派だよ」 「あかぐみ、いっぱ………ヤクザ的な?」 「アホ。んな物騒なもんじゃねーよ」 …………アンタが言うことじゃねーよ 言いたいけど殺されるので黙っとこう。 「この国には皇族がいてね、一番偉い人は殿下ってよばれてるんだ」 「へ―…」 「そしてその人を中心に俺達紅組、その他に蒼、黄、様々な色で構成された組があるんだ。何故作られたかって言うと、この国の治安維持や住民の取り締まりあと殿下の雑用ってとこかな」 「警察みたいな感じか…」 「てめえのいた世界にもいるのか?」 「内容は違ってますが似てますね」 やっぱりこの国は江戸なんかじゃないんだ… じゃああたしはどうすればいいのだろう。 帰りたくても帰る場所が無い 頼る人もお金も無い あたし、どうすれば…………… 前へ |次へ |
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