《MUMEI》

 








「せ――いやちゃん♪」

「………………………」








朝御飯の準備をしてる最中現れたのは久我さんだった











「ちゃん付けとかやめてくれません?」

「うん、だよね。言ってて気分悪くなったもん」

「……………………うざ」









この人は何かとちょっかいをしにわざわざやって来る。そんなにあたしに相手してほしいのかコイツ……











「で、何の用ですか」

「上木にじゃないよ。今日の朝餉は何かなーって」

「……あさげ?」

「朝に食べることだよ」

「へ―初めて知りました」

「たまに君と会話がしづらい時があるよね、それも世界が違うから?」

「…そう、ですね。久我さんはあたしが違う世界の人間って信じてくれるんですか?」

「上木が自分で言ってるから俺はそれに乗ってるだけだけど?」

「………………え?」

「俺、意外と遊佐さんよりめんどくさいかもよ?」









―――――それって……………
どうゆう意味……?







意味深な久我の言葉に同様する星夜の箸は止まる












「ちょっと、手が止まってるって。早く早く」

「…………あ、」

「あともう少しかかりそうだから俺は皆叩き起こしてくるよ」

「ありがとうございます。でも叩かなくてもいいです」









わかったわかったと言って背中を向けたまま星夜に手を振る。

ホントにわかったんだろうかアレ………







はぁ、とため息を溢しながらまた作業を開始する。















「…………………遊佐さんよりめんどくさい?どうゆう意味で?」






あの時のあの人の顔、
いつもの冗談なんかじゃない

―――――――あれは本音だ。














 

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