《MUMEI》
そう俺は普通、
 





「人間は真実に寡黙だ。」






なにを言うのかと思えばホントに”なに”だ。








「逆に言えば嘘になると口数は増え表情も豊かになる。何故なのか、それは恐怖を塗り固める無意識な自己防衛。嗚呼、誰にでもある自己敬愛」








なにを語ってんのか俺にはわからねェ、
わからねェが黙っておこう。

何故かって?言ったところで無意味だからだ




大人で器のでけぇ俺はそいつの話を黙って聞く。あぁ、嘘だ、聞いてはいねェ。そうだな…………



”無視”だ。












「――ねぇ、聞いてる?」

「あぁ。」

「嘘、」

「信じねぇなら別にいい」










俺はソイツをほっぽって歩く。

すると焦った口調で「待って待って!」と着いてくる。



めんどくせぇなオイ














「くせーんだよ」

「え!?酷くない?ねぇ!」

「酒飲みすぎだ」

「嫌なことは酒で洗い流すのが一番さッ」

「嫌なこと?ハッ、また例のアレか?」

「そうさ!ね、ね、今度リフォームしようとしてる若い夫婦狙おうと思うんだけどどう?」

「どうって………何が」

「だぁかぁらぁ!改築詐欺だよ〜。でもさ俺建築関係の系統に手をだしたことないしさ、どうかな―って。相談?」

「知るか、つか前は何やってたんだ」

「え?色々?あ、でも最近なら代理店での詐欺かなぁ―」












ヘラヘラ笑うコイツ

名前は白雲 宇太 (シラクモ ウタ)


見た目は紳士的ってゆうのか?どう見てもどこ切っても悪人には不向きな顔立ち、

だがコイツの中身は最悪だ。



いや、最悪とはなにか違う………
同情や人情ましてや愛情を抱えない空虚な人間。人間……なのか?

俺もなかなかバッサリとした人間だがコイツの場合、人間の基準を二択に分別する。

まず、使えるか使えないか。面白か面白くないか



人の良さそうな面してエグい思考をしている。











 

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