《MUMEI》

今や筋肉が鋼鉄並の硬度になっているスサノオの胴体を、両断せんばかりのパワーで、触手がミシミシと食いこむ。
「ぐ・・・・ぬっ」
スサノオの顔に一瞬苦痛の色が浮かぶと、逆立った髪の毛がざわざわとうごめき、両眼が赤光する。
スサノオは両掌を触手に押し当てた。
ビキビキビキッー!
両掌を当てた部分から波のように超振動が走り、触手が粉微塵に粉砕されていく。
だが触手は速やかに再生を始めると、先端が弾けるように開き、びっしりと牙の並んだ顎(あぎと)と化し、スサノオに襲いかかった。
その姿はあたかも眼の無い大蛇だ。

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