《MUMEI》

大蛇の顎がスサノオの肉体をかみ砕いた!
と見えた次の瞬間・・・・その姿が、水面に浮かぶ像のように、グニャりと歪んで溶ける。
顎が捕らえたのはスサノオの残像だった。
牙が何も無い空間を噛みしめ、ガチーンと虚しい音を響かせる前方で、触手の攻撃をスウェーバックしてかわし黒くぶれた影が、再びスサノオの姿に結実する。
「よっしゃーーっ!ここで必殺技ゴールド・バレット・ア・シェル・カッターを食らわしたれーーっ!!」
天狗丸が自分で勝手に命名した必殺技の名前を、隣で引いているダキニに構わず絶叫する。
天狗丸の意に反して身を沈めたスサノオは、再び開きかけた大蛇の顎を、下からアッパーカットで突き上げた。

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