《MUMEI》

どういうわけか現象として十中たぶん十になりそうだから認めることになる そう自発的に感じているわけじゃない 自身ではわかっていないのに結果 ものすごく安全な気持ちになる あの頃正直特なる共感はなかった でもきっとこの感じと近いのかもしれない 水のベールに包まれてる安心感 皮膚に一枚まとっているような安全感 好きなのかそうでないのか考えもしない けどクッションみたいにしてつながってる気がする とにかく一日がすっぽり守られてるのを感じる1940

少し無理してでも音に向き合わせようとした 音の間は平気なように思えた 音が止まったら静寂が来るからじゃなく 向き合うのとは違うものに押し潰されるように それまでの音が津波として引き返してきた だからよけることができない0824

たぶん説明できる気がする 時もあわせて わかる事がある ムリでもその中にあるもの1212

ホントウを伝えられないからじゃなく伝わらないからじゃなく伝えるべきじゃなかったのはずっと最初のころからでそれで保たれるはずだったものは死ぬも生きてるもない場所のまま 死ねるためにそれを続けた1213

不思議かもしれないけど それは必ずしもわるい事ではない だけどそのとおりでもある それだから成立しうる可能性になる これまでとおなじ場所のようで全くちがう 意味があった 意志があった 人であった1530

理不尽とは人間の手が入っていないものの事をいう 実際はそんな定義はないのは知っている でも人間がする事は理不尽とは言わないんだ そして人間が思う理不尽も逆に理不尽とは言わない それは憎むべき悪とは違う 自然なら人間の意思とは別のもの あるべきでないものじゃない 人間に発言権がないだけ 理不尽などという言葉ではないんだ 本物の理不尽なら対処などなしで対処できるもの 理不尽とはホントウは完璧で完全なもののこと 理不尽などというものに当てはまらないモノ それが現実にこの世界に存在する 答えは難しくも簡単に出る 受けるべきでないものとして でもそれが命と等しく命と引き換えに命そのもの以上であったなら 命はなくなったとおなじ それは人が唯一けがしてはならないもの2300

殺されようとしているものが何かほぼ実行する最後の直前はっきり見えた。殺すことが等しく別の何を意味しているか最後まで口にせずにいくつもりでそれよりもずっと核なるものだった。最も恐ろしいと知っている言葉を彼はすでに使った事があるかもしれないのを聞くような記憶。その言葉を全く別の人が話して全然別の誰かを殺すのを彼女は救う事ができなかった。毎日その言葉を知ってきた。毎日それがいつ今日かもしれないと分かり続けてきた言葉。まだ一言も話し始める事も考えもしていなかったころ。嘘だと思った。それは彼女の知らない彼女よりももっと長いだろう誰かを壊した。今の音が世界に鳴ったのを彼女の全てで吸い取ってなかった事にすることを思ったまま離れない。あの日からもう代わりに死んだのかもしれない。彼女自身が聞いたと同じ事になったみたいに。その威力は今でも何も変わらない。恐ろしさは減っていくわけじゃない。なぜならそれは架空ではないから。常に本当の事は実質が減りはしない。薄らいではくれない。だからもし一人には空想であってももう一人には現実。夢で殺されても目覚めればケガひとつないのと実際に刺し殺されてキズと血が残って今日の命が現実に消えているのとはまるで違う。ありふれた言葉で驚く。でもそれなのだと分かる。そう心で思った瞬間ホントウに消える。でも失くすのは彼女の方からじゃないと知った。だから代わりに持ってる。二度と戻らないものをその時になって知る前に。それなのだとわかったから。0430

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