《MUMEI》

 







―――――――――――え……?








ゆっくり瞼を開けば笑いを堪える久我の姿、星夜はただ唖然とその訳のわからない光景を見つめる


それでもなお笑いの止まらない久我、











「も、もう、するわけないじゃん、クククッ………あー面白い」

「……………………は?」













スッと、久我は星夜から離れていき口に手をあて肩を振るわす













「クッ、ふふ、冗談だって冗談、まさか、あんなにも取り乱して騙されるなんて、ふ、ククッ」

「…………………オイ、」

「俺にだって好みはあるしね、星夜ちゃんはごめんかな――?」

「どうゆうことだコラァ!てことはアレか?あたしをからかって遊んでたってことかコラァァァ!」

「怒んないで怒んないで、ハゲるよ?」

「うっせ―――――!!いっぺん死ねェ!」

「おっと、」








感情を露にしながら殴りかかろうと右ストレートをかます星夜の腕をすんなり避け、そのままがっしりと捕まえられる。












「んの離せクソッ」

「細い腕、これじゃあ簡単に折れるよ?」











ギリッと握る手に力がこめられ、

星夜はその瞬間顔をしかめて「いあッ」と、唸る。












「痛い?」

「離せって!」

「ん―口が悪いなぁ」

「いったぁ……」










更に力が入れられる













「……………痛い?」

「い…………たい、」

「食べちゃってごめんなさいは?」

「……食べて、しまって……ごめんなさい」

「よし許してあげる」












パッと握っていた手を離す。













「俺に殴り付けようなんて考えないほうがいいよ?俺は自分に危害がくるような人間は徹底して潰すから」

「……………………………」











軽い口調だが本気の目、星夜は黙るしか無かった。


久我は「じゃあね、」と、言って星夜に背中を向け歩いていった……………。









――――――――なんだ、あの人





怖い……














 

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