《MUMEI》

 






ペタペタペタ、











日も落ちかけた軒下、

星夜と別れた久我は一人で歩いていた。














――――――――――あ〜あ、












何気なく上を向き面白味の無さそうな顔をして、













泣かなかったな―全然、

案外根性あるってゆうか図太いってゆうか……
面白くないな―。















自分の手のひらを広げ、見つめながら









「結構力いれたつもりなんだけど―?」













顔を下げ元に戻し口元を吊り上げながら、















「折れば良かったかな?」










そんな言葉を一人呟いた、




ペタペタペタ、一人の廊下、日の落ちかけた太陽が影を広げながら久我は笑う。



歪んだ感情が浮き彫りになるくらいに…………

















▼▽












夜、今日は話し合いをしていた。

あたしは赤組一派ではないのでその会議には出れなかったが遊佐さんの真剣な声がたまにあたしの耳に入ってきた。





ゴシゴシゴシ、あたしは食べた後の大量の皿を洗っている最中、






気にならない、と言えば嘘になる。
寂しくない、これも嘘になる。


いや、だからと言って図々しくも話しに入りたいというわけじゃないが皆が集まるなか一人でいるのはなんだかやるせない……






我が儘だろうか、

まぁそうだよねあたしは居候で、監視をするためにここに置かれているんだから












「はあぁ〜ダルい眠い働きたくないラーメン食べたい」








次から次へと愚痴が溢れていく












「まだまだ終わらないし…………ってェ!」










急激な痛み、場所は右腕、
こうなった理由はわかる。あの久我さんのせいだ




あぁ、もう

ほんとわかんない。あの人は何を考えてんのか、どれがほんとか、










段々と思考回路が暗めになってきたのでそれを紛らわすため鼻歌を歌う







「フーンフフーンフー♪」

「陽気だなァ、オイ」

「!」












 

前へ |次へ


作品目次へ
感想掲示板へ
携帯小説検索(ランキング)へ
栞の一覧へ
この小説は無銘文庫を利用して執筆されています。無銘文庫は誰でも作家になれる無料の携帯・スマートフォン小説サイトです!
新規作家登録する

携帯小説の
無銘文庫