《MUMEI》 初恋そうだよ…… 報われるとか、報われないとか そんなことを考えて彼を好きになったわけじゃない。 私は侑くんを好きになって 恋を知って、それが嬉しかった。 それ以上を望んでないって言えば嘘になるけど でも、それ以上に―――私は嬉かったんだ。 「初恋なんだ……」 そっと、芹奈はささやいた。 今も消えない想いを両手につつみこむような気持ちで。 「だから私、この気持ちを大切にしたい」 「……それはわかるけどさ」 愛李がキレイな長い髪をさわりながら、静かに言った。 前へ |次へ |
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