《MUMEI》 さらに今度は、触手と言うよりも、工場用ロボットのマニュピュレーターにしか見えない先端のドリルが、唸りを上げ回転しながら、目前に迫って来る。 ギャリーーンッ!! と火花を散らして、クロスした二本の剣が、回転するドリルを受け止める。 「ぬぅっ」 スサノオはギリッと歯噛みした。 残された二本の腕の手首 に、ナイアーラトテップ の触手が間髪を入れずに絡みついたのは、その直後だ。 これでスサノオは、六本の腕の全てを封じられた事になる。 ギリギリとまるで体を引き裂こうとするように、 両手首に絡みついた触手が、外側に向け力を加え、引っ張り始めた。 スサノオの力をさらに上回る触手の力に、みしみしと筋肉を軋ませ、両腕が広げられていくと、とうとう真っ直ぐに伸びきってしまった。 そして触手は両脚にまで絡みついて来る。 万事休す! このままスサノオの体は触手によって引き裂かれるのか?! 「うおおーーっ!」 スサノオが完全なハリツケ状態の身を、空中でもがかせる。 「いやぁぁーっ!裂けちゃうぅーーっ!」 ダキニも天狗丸にしがみつき、思わず甲高い叫び声を上げた。 前へ |次へ |
作品目次へ 感想掲示板へ 携帯小説検索(ランキング)へ 栞の一覧へ この小説は無銘文庫を利用して執筆されています。無銘文庫は誰でも作家になれる無料の携帯・スマートフォン小説サイトです! 新規作家登録する 無銘文庫 |