《MUMEI》

「さすがのスサノオも、これまでかー?!」
天狗丸の顔にも、焦りの色が浮かぶ。
駄目押しをするように、
刺(とげ)のびっしり生えた触手が、スサノオの背中を鞭打ち始めた。
「ぐわーーっ!!」
先程は呻きを耐えたスサノオも、さすがに我慢しきれず叫び声を上げる。


ビシィーーッ!
ビシィーーッ!


その背中へ情け容赦無く刺の鞭が振り下ろされる度に、肉がえぐれてぎざぎざの傷口が広がっていき、どろどろと血が流れ出る。
「がはーーっ」
スサノオがとうとう、口 から血塊を吐き出した。



轟ーーーっ!!!



突如、地鳴りのような音が周囲の空間にこだまする。



笑っている!



ナイアーラトテップの幾千幾万の口が、一斉に笑い声を上げている。



その轟きが大地を鳴動させる!!

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