《MUMEI》
第二話『Don't like rather…』
 




  第二話 『Don't like rather…』
















魔王、鬼畜、悪魔、薄情、



考えれば考えるほど思い浮かぶ黒い言葉の数々、今ならお経みたく延々と言えると断言しよう。








ドスドス足音は増すばかり

苛立ちがあからさまに態度に出ている。


わかってる、わかってるけどおさまらないんだよジョニー







職員室から教室に帰る途中の廊下、不意に誰かに軽く肩を叩かれた

眉間にシワを寄せ態度の悪い顔で振り向けば…








「………あ、」

「やぁ、昨日ぶり」











爽やかな笑みを見せる昨日のイケメンがいた。













「どうも、えっと…………椿くん」

「楓だよ。酷い間違え方だね」

「す、すんません」









相変わらず笑顔だが、間違えられてあまり気分が良くなかったんだろうなんだか威圧的なものを感じた。

私は咄嗟に謝ってしまう















「そういや何でキレてたの?」

「え?」

「いや一人でブツブツ言いながら酷い剣幕だったから」

「ぅえ!?わ、私一人でなんか言ってたの!?」

「うん、魔王とか悪魔とかそりゃもう恨みのこもった感じで」

「はぁずかしぃ!!」








いやだアレ口に出てたの?

マジかよマジかよマジかよ



しかも聞かれてたとかショックだわ…。










両頬を手で覆いながら顔を青ざめさせる

そんな夜風にフッ、と笑みをこぼしながら











「何かあったの?」そう質問してきた。








「え、」

「話聞くよ?」










またも作ったような笑みに不信感はよみがえったが、灰親楓のその表情は「話聞くよ」ではなく「話せよ」と言っているような感覚にも思えてきて言わざるを得なくなった。












「た、担任が今週中までに大量にあるプリントを提出しろと言ってきて、無理だと抗議したがアッサリ跳ね返されてイラついてたとゆう訳で…」

「荒木先生が?何でまた?」

「私の度重なる遅刻がとうとう担任の逆鱗に触れてこうゆうハメに」

「なるほどね、」












そう言って顎に手を添えながら納得する灰親楓


そして一拍おいてからこちらに目線を向け、










「手伝ってあげようか」

「…………………は?」









そう言ってきた。

私は何がなんだかわからない













 

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