《MUMEI》 先生は見てみぬふりをし、ログ式を書いていくが、窓の後ろには… 「…………」 「…………」 田中先生がこくりと頷いた。 「なになんであのババア覗いてんの…」 「きもちわる~」 松下グループは一斉に笑い声を挙げる 「…………」 一瞬、翔子と目が合う。 「キモ…」 「プッ、クスクス…」笑っているのは、唯と雪子。翔子は、メモ帳を ちぎりシャーペンで何かを書いている。 (何書いてるんだろう…) 翔子の書いた紙は、隣の席、上下の席にたんたんと回っていく。これは、三原式の暗黙のルールでもある 「はい、松下さんから…」 隣の席の子からまわってきた手紙 (何だろう…) 手紙を開けると (佐藤さんへ、 最近調子乗ってないむかつく 気持ち悪い、ゴミくずのくせに豚のくせに それと数学終わったら校庭ね…) 紙をくしゃくしゃにまるめ、地面に落とし、上靴で踏む 「うわ、最低…」 「可哀想…」 翔子は、悲しい顔をする 前へ |次へ |
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