《MUMEI》

 












「………………………………」











今の彼の発言理解できた人―

はい、いませんねいませんよそりゃ


目の前の灰親楓はまた作ったような笑みを浮かべた。私の不信感は間違いじゃなかったんだ。多分、いや確実に今のコイツがホントなんだろう。







眼鏡の奥の冷えきった瞳と視線がぶつかる










私も負けじと一直線に強い視線を送りながら、「質問していい?」そう口にした。灰親楓は少し眉をピクリとさせた後、「ひとつだけね」と、歯止めをかけた。










「理解できないんだけど」

「何が?」

「全部」

「ひとつだけって言っただろ?まぁ、君の欲張りな質問に簡単に答えるなら”暇潰し”ってとこかな」

「……………………はい??」













意味わからん。





その考えが顔に出ていたのか少しくぐもった笑いを見せてからまた視線をこちらに向ける













「ゲーム感覚に近いのかなぁ、別に恋愛がしたいわけじゃなくてただ単純に駆け引きが楽しんだ。俺の作った優しさでどれだけ騙せれるかとかどんな反応見せてくれるのかとか…………興味はそれだけだよ」

「昨日の女の子も今日下駄箱にいたあの子ももしかしてアンタのそのくだらない暇潰しの……?」

「そうそう、アッサリ引っ掛かって逆に呆れたよ。しかもまさか彼女なんて口にするとはな〜、驚いたよ」

「最低」










皮肉めいた口調に嫌気がさす、なんとも不愉快で仕方ない。













「酷いな、非難したような目しないでくれる?別にいいじゃん君は引っ掛からなかったんだし」

「そんなことどうだっていい。その前になんでそんなに人を玩具みたいに見れるんだ?」














 

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