《MUMEI》

でもこれは私の選んだ道だから。

私は先生が好き。

その気持ちを貫きたかったから。



ー…



「先生〜っ!」


放課後。

私達だけの秘密の場所。


「梨華、痛い。痛いから」


先生が昔住んでたっていうアパート。

仕事が忙しい時は家に帰らないでここで寝泊まりしてるらしくて、まだ借りたまんまなんだって。

私とこういう関係になってからは、私と会う場所にもなってる。

…奥さんには、すごい申し訳ないけど。


「だって…先生とギュッてすんの好きなんだもん!」

「はいはい。かわいいね、梨華は」


そう言って私の頭を撫でる先生。

完全に子供扱い。

こういうのには慣れてんだろうな。

子供いるし。

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