《MUMEI》

キアンちゃんの攻撃は相変わらず厳しく、今の『ソウル』では、もはや対抗することは不可能だ。

『ソウル』を完全に使いこなすにはどうしたらいい……?

それができないと『奴等』と戦うどころか、この訓練で終わってしま――鈍い音と共に頭を鋭い衝撃が突き抜け、地面が迫ってきた。


前のめりに倒れたのか、うつ伏せの状態だ。

意識が朦朧《もうろう》とし、身体も動きそうにない。

やっぱりダメだったかと諦《あきら》めの思考と同時に眠気が襲ってきた。

このまま寝ようか……一応、努力はしたけど……オレにはできなかった。

目を閉じて楽になろう……。



『かわいそ〜。弟にいいところ全部取られちゃったんだ』

昔言われた言葉が唐突に頭の中を駆け巡り、激しい怒りが膨《ふく》れ上がる。

何だよ、ソレ。

ふざけんなふざけんなふざけんな! オレだって好き好んでこうなったワケじゃねぇんだよっ! 勝手なことばかり言いやがって……。

変わりたい…………オレだって、本当は変わりたいんだ。

こんな思いをするのは……もうたくさんだ!

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