《MUMEI》

「………」
あーあぁ、寝覚め最悪な千里登場。
だから大声は駄目だって言ったのに。
千里は(一応)静かに語り始める。

「三津浩太。3ヶ月前、螺都井村の村長になり三津一族を殺害。次々と奇怪な死を遂げる一族の殺害犯を当時この村に滞在していた旅人に仕立て上げた。そしてその旅人も殺害。これでこの村が旅人嫌いの理由の証明終了。
4日前、三津凜夏の名前から特案に依頼が入る。『村がおかしい』と。だがそいつは三津凜夏じゃなかった。3ヶ月前の真実を全て見ていた、あんたの子供。」

「黙れ!!!!」

「人の話は最後まで聞けよ。」
「………っ!?」
「あんたの子供の名は――――」

「三津、眞。」

「……眞…!なぜお前が此処に…」
「ごめんね、父さん。でももう…」

もうそろそろ、僕の出番かな。
「なぜ生きている…?殺した筈だ…」
「僕が助けました。」

「血の匂いが酷くて、そこに行ってみたら彼が倒れてたので一応助けちゃいました。駄目でした?」

「…な、」
「僕、これでも医者なんで。」
嫌味ったらしく笑ってみる。
あぁ楽しい。
「さて、三津さん。貴方は人を殺しましたね?」
「……だから何だい?」
「犯罪ですよ。」
「君に言われたくないね。」
「そうですか。」
「そもそも証拠は?私がいつ殺人を犯したって?」
「……馬鹿ですね。」
「…何?」

≪さて、三津さん。貴方は人を殺しましたね?
≪それが何だい?

「!?」
「自白どーも。」
千里は録音レコーダー片手に、唇の端だけを吊り上げる笑みを浮かべた。
「そ…そんなの証拠にならないだろう」
「いやぁ、なるんですよね、これが。」
「否定しないのは肯定とみなすからな。」

「父さん…もう諦めてください。ぼくもこれから連盟に全てを話しに行きます。」
「……………!」
さて、止めと行こうか。
「残念でしたね。この村を手に入れる為に、愛する人まで手にかけたのに。貴方の時間は終わったんです。」

「………わたしは……」
三津さんは膝から崩れ、泣いた。

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