《MUMEI》 チャイムが鳴り、三時間目 音楽 「えーでは今日は音楽理論に少し触れていきたいと思います…」 隣に座る生徒たちは教科書を開く しかし、私には… 「あら佐藤さん教科書は?」 「…………」 「早く出しなさい」 「…………」 「佐藤さんが教科書を出さない限り授業は進みませんよ」 「えー」 先生の言葉にみんな愕然とするどころか 「早く出してよ」 「進めないじゃん…」 「ほら、出しなさいよ…」 すると、翔子が席をたち 「私、佐藤さんに教科書見せるよ」 「おーさすがー」 「松下さんは凄いね…」 「ありがとう、松下さんこれで心置きなく授業を始める事が出来るわ」 さくさくと授業が進み。 終了後 「ねえ、あんたあたしが教科書かしてあげたレンタル代払ってもらうから…」 「そうよ、あんたみたいな汚い、臭い子に誰も教科書なんて見せたくなかったんだから…」 翔子と、雪子に責められながらもなんとか授業に行きついた私だが 前へ |次へ |
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