《MUMEI》
あたしの超記憶力!?(仮)
 
《金》 16:15

 「スッゴーい!また百点じゃん。さすが【超記憶力】!」
「んもぅ、その【超記憶力】私にも分けてほしいよぅ・・・」
 みんなが口々に言う【超記憶力】。
 なんとあたしは"超"が付くほどの記憶力を持っている。
 簡単に説明すると・・・ 2週間前までにあったことなら、何でも覚えてるの。2週間前の夕飯や授業、さらに下着の柄だって覚えてる(笑)
 だから、テストだって1回覚えちゃえば楽勝♪だから、テストで100点以外はとったことないの。


 「きゃあッ!!」
突然聞こえる悲鳴。振り返ってみると、声の主は廊下を見て頬を赤く染める。
『どしたの?美里ちゃん?』
何となく分かるけど・・・。
周りのみんなも、美里ちゃんの悲鳴をきっかけに騒ぎ始める。悲鳴と言うより歓声と言った方が良いかも。

 だから、やなんだよ・・・アイツ。
 「おーい!!姉貴!!」
・・・・・来たよ。
 何かと人気あるんだよなぁ・・・。
「未來くん・・・」
周りの女子たちの歓声が消えたと思ったら、次は名前をつぶやき始める。目の前でハッキリ言えばいいのに。

 コイツの名前は[兎神 未來(とがみ みらい)]

 名前も容姿も性格もすべて女っぽいけど、これでもれっきとした男。ま、女子に人気なのは"可愛いから"らしい。

 『てかぁ、何回言ったら分かるの!?あたしは[霧野 彪奈(きりの あやな)]っていう名前があるんだからぁ。それに同学年だから[姉貴]じゃないし。』
 そう、あたしと未來は同じ2年生・・なのに[姉貴]って呼ばれる訳・・・
「だって姉貴は命の恩人なんだもん♪」
顔を背け、唇を尖らせる。やっぱ、こういう仕草が女子受けするんだ。
 「きゃあ///」と、やっぱりあがる黄色い歓声。
 「なあ、姉貴。今日も一緒に帰ろうぜ♪」
彼は笑顔で誘う。本当、【♪】つけて喋らないでほしいわ。
『はぁ?なんでアンタと恋人みたいに毎日一緒に帰らなきゃ行けないの!?』
ちょっと、呆れ気味で言ってみた。未來の反応が見たくてチラッと顔を覗く。
「だったら、本当の恋人同士に・・・『ならんわッ!!』
未來の話を遮るあたし。

 これが"日常"

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