《MUMEI》
・隆志視点・
――こいつ可愛いすぎ…
つか色っぽすぎなんだけど。
どう見たって男顔だし、線こそ細いが決して華奢な訳でもなく、
背も高い。
脛毛だって人並みに生えてるし、
朝うっすらだけど髭だって生えていた。
――雑誌なんかじゃ
いつも確り格好良く決まっていたりして、モデルの女の子にもかなり人気がある。
――日本人にはない整いすぎた鼻筋、
色の違う、形の良い眼…、
写真でしか裕斗を知らない人間には冷めた印象しか与えないかも知れない。
でも実際の素の裕斗は
仕草や表情がとにかく可愛い。
笑うと無邪気な子供みたいな顔を作るから、
俺はそれが見たくて、なるべく喜んで貰えそうな話題を探し話てしまう。
直ぐに不安げな表情になるから、思わず抱きしめ、守りたくなる。
―落ち着いた甘い声
色素の薄い唇…。
柔らかい焦茶色の髪…。
ベッドの中ではそれが全て妖艶な材料になり、
堪らなく色っぽくて俺は我を忘れそうになった。
それでも自制しようと壊れ物を扱う様に触れたら、
男性経験が有る事を告げられ、同時に裕斗の恋人が男だと、知った。
――俺はその瞬間、
気がふれたかの様に無我夢中で裕斗を抱いてしまい、優しくする余裕を一切無くしてしまった。
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