《MUMEI》
同居
お祖母さんに、チズカの事を話したんだ

戸籍がどうとか、良くわからないけど
お父さんの子供なら、僕と同じ、孫になるよね

お祖母さんはチズカの事を知ってたみたいだった

そして、お祖母さんとチズカを会わせてみたんだ

あまり会話はなかったけど、お祖母さんは優しくチズカと話してた

それから暫くして、チズカと一緒に暮らす事になったんだ

弁護士さんが、働き掛けたみたいだった

戸籍上は他人だけど、血は繋がってるし
お祖母さんが保護者になるって事になったんだ

弁護士さんから聞いたんだけど
チズカの居る施設は
運営が苦しいんだって

自治体からの予算は少なくて
寄付も、今の時代、そんなに集まらないらしいんだ

口減らし?

思わず、そう言っちゃった僕に、施設の偉い人は

家族と一緒が、何より一番、幸せな環境なんだよと、
弁護士さんは言ってたけど
もうすぐ夏休みに入るし、試験的にって

その間、役所から委託された、民間の、なんとかって人が、月に何度か様子を見に来るんだって

お祖母さんは、自分が死んだら、僕が独りぼっちになっちゃうって事を、心配してたみたいだった

色んな理由があったみたいだけど
とにかく、チズカと暮らす事になったんだ

お祖母さんも、一時帰宅するはずだったんだけど
それは、ダメになっちゃったんだ

夏風邪みたいだから、
良くなれば、一時帰宅出来るよね

お祖母さんの家に、チズカを連れて来て、暮らす事になってたんだ

3人で、暮らすはずだったんだけど
チズカと二人きり

借りてきた猫みたいに、おとなしかったチズカだけど
ゲームをしたり、一緒に食事を作ったりしてたら、自然と馴染んで来たんだ

そして、バイクの後ろに乗せ
お祖母さんに会いに行ったりしてた

お祖母さん、元気そうだったけど
足が不自由なんだって

骨が弱くなっちゃってるんだって

1週間が過ぎた頃
チズカの様子を見に来た役所の人が
施設に報告したみたいなんだ

チズカ、掃除も選択も、自らするようになってるって
明るくなったし、勉強も、僕に教えてもらってるって
チズカの夏休みの宿題は、ほとんど終わってたんだ

遊ぶ時間、家事をする時間、勉強する時間

規則正しく生活してから

前へ |次へ


作品目次へ
感想掲示板へ
携帯小説検索(ランキング)へ
栞の一覧へ
この小説は無銘文庫を利用して執筆されています。無銘文庫は誰でも作家になれる無料の携帯・スマートフォン小説サイトです!
新規作家登録する

携帯小説の
無銘文庫