《MUMEI》
お久の友達
「はぁーー、やっと着いたー」

旅館にはほかの学校の子たちも来ていた。

「あ――っ!真奈ちゃんだー」

ひとりの友達が旅館の上のほうを

指さして言った。

「えー、どこどこー?」

「あっ!ホントだー」

「お――い、真奈ちゃーん」

真奈ちゃんというのは

私が2年生ぐらいの時に転校していった子だ。

真奈ちゃんのほうも私たちに気づいたらしく

ニッと笑って「おー!久しぶりー!」

と旅館の二階から手をふった。

私も下から手をふりかえした。


その後は先生に「早く入れ」と言われたので

しかたなく旅館に入った。

「あ――つかれたー」

と言って私は床にエナメルバックを置いた。

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