《MUMEI》

公園の入り口付近の、人気のあるところまで来て

なんなの?アイツら

そう、酒井さんに聞いたんだ

中学のときの同級生で、
暴走族まがいのことをしてる奴ら、らしいんだ

この前、鈴木とデートしてるときに絡まれたんだって
一緒に遊ぼうぜって…

…知らなかった、中学、鈴木と一緒だったんだ…酒井さん…

あまりにもしつこかったから

キモいんだよ、デブ!

酒井さんが、そう言った事に、腹をたててたみたいなんだ

俺、鈴木に、アイツらを呼んで来いよと、言ったんだ…

まだ、あの辺りに転がってるだろうし……

みんながビックリしてた

早く行けよ!

強く鈴木に言うと、鈴木がまた、戻って行ったんだ

誰も、何も話さなかった

鈴木がピアス野郎と、デブを連れて来たんだ…

みんなに緊張が走ってた

でも、完全に、場を支配してる実感があった俺は、手招きしたんだ

デブは、少し離れた場所に居て、ピアス野郎だけが来たんだ…

…年上かと思ったけど、同い年なら…

……まだ、因縁つけるなら、手加減しねーかんな…
ヤサは割れてんだろ?…
…ポリ、行かすぜ…

そう言った俺に、先に殴ったのはお前だろと、ピアス野郎が言ったんだ

誰にモノ言ってんだ?…
おら、慰謝料だ…
デブに渡してやれよ…

お前ら、酒井さんに何した?!ブタ箱行けや!


財布から2万を出して、ピアス野郎の口に押し込み、そう言ったんだ


完全に、圧倒してた

ピアス野郎は、俺の目を見れないでいたみたいだ

二度と、酒井さんに絡まないと、口約束だけど、させたんだ…

金は、そのまま渡した

パンツ買えってね…

デブ、漏らしてるよ
臭かったもん

そして、ピアス野郎とデブが、逃げるように消えてくのを見届けてから

……お前の彼女に手を出したのは、俺だから…

殴れよ…

格好つけて、鈴木にそう言ったんだ

心の中では、殴らないで!って
強く願ってたけど…

………鈴木と酒井さんが、少し離れた場所で話してた
琢磨、喧嘩なれしてるんだな…

同級生が、そう言ったんだ
……んな事ないよ…知ってるだろ…
…俺、殺されかけたんだ…
それに比べたら…こんなの…


少し、大袈裟に言って、黙ったんだ

同級生の男に、肩を抱かれた

女子たちが涙ぐんでた

ちょとした悲劇のヒーロー気分だった

がっこうで、俺が、暗かったのは、そういう経験があったからだ

とか

気付いてあげれなくて、ごめんね

とか
やたら同情が集まったんだけど

…俺の頭の中では……鈴木に殴られたイライラから、あのデブを殴ったんだけど…
………ちょっと練習したぐらいじゃ、格闘技なんてムリなんだよな…

何で、蹴った足がこんなに痛いんだろ…
…デブが、重いから、衝撃が逃げなかったんだな…

って事は…、あのデブも、かなり痛かったはず…

そんな事を考えてたんだ


鈴木が俺の前に来た

…許さねーからな
絶対にお前を許さねーからな!!

鈴木が、そう言って、怒って帰って行ったんだ…


………何なんだよ…あいつ…この前もそうだけど
何で女を置いてきぼりにして、帰るんだよ!

そう言った俺に、女子のひとりが

バカだからよ…
…追い掛けて来て欲しいんでしょ…

そう、言ってた

酒井さんが来た

………ごめんね…

そう言った酒井さんに

俺は、謝らないよ…
…キスしたかったから、キスした…

謝りたく…ないよ…


そう言って、立ち上がり

みんなに、
ごめんね……帰るよ…


そう言って、その場から離れたんだ

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