《MUMEI》
佑二っす。俺視点に戻ります
.




怠ぃ…




思いながら俺は瞼を上げた。




「ん……」


俺の横…腕の中で秀一が身動く。

上半身、裸





此所の…


この部屋のものは何もかも秀一の香りがする。



秀一の部屋。

親からの仕送り+αで、秀一は一人でこのマンションに住んで高校に通っている。




たった一人で。






「…なに見てんだよ」

「わ」

寝てたはずの秀一が、寝起きとは思えないまなざしで俺を睨んでいた


「そんなに俺が格好良いのか?」

「うん」


否定しない。



する必要もないから。



「俺は秀一が好きだ」

「あっそ」



ちょっと勇気を出して言っても、秀一は素っ気ない。




ただ、十分後に「俺も」とキスしてくれた。

不意打ちだったからすっげー驚いた。




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「…佑二」

携帯にイヤホンをつけて音楽を聴いていた俺の肩に、手が置かれた。

最初は誰だか分からなかったけど、振り向いたら





「たっ…隆之…」

「…おはよう」

「…おはよ」



隆之が口聞いてくれるなんて…


相変わらず綺麗な隆之の瞳が、俺を見据える。









「見せたいものがあるんだ。今日の放課後、部活休もう。俺ん家にきてくれ」


俺は黙って頷いた。






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