《MUMEI》

居酒屋を出ると、鈴木が居たんだ

…俺をのけ者にするんだ?
幹事に絡んだ鈴木

…呼べないだろ…わかれよ…

何で呼べないんだよ!

…………言わせるなよ

言えよ!

……お前、酒井さんになにしようとした?!

バカだろ……未練はわかるけど

未練なんかねーよ!

……

…別れる前に、一発やっとこうと思っただけだよ…

…なにが琢磨に本気になっただ…

本気で好きな男が出来ただ…
なら、俺は何だったんだよ!

イズミに、そう言った鈴木
……普通に、好きだったよ
そう、答えたイズミ

鈴木は俺を見て

イズミ、処女だったんだぜ
舐めたのも触ったのも、俺が初めてなんだよ…

…口の中に出して、飲ませたこともあるぜ

やるよ、お前に
俺のお下がりをよ

そう言った鈴木

誰かが鈴木の胸ぐらをつかんでた

止めてるやつも居た

女子のひとりが
最低ねクズね…

そう、呟いてた

…すきだったなら、そんぐらいするだろ…
何が言いたいんだ?…

鈴木に聞いたんだ

……俺の使い古しをやるって言ってんだよ

のけ者にして、そんなに楽しいか?!

…アンタがイズミを襲ったからじゃない!

女子のひとりが言ったんだ
別の女子が、バカ、言っちゃダメでしょ…って…

…そんな事が…あったんだ……知らなかった…

まだ、俺の女だったんだからべつにかまわねーだろうよ…

そう言った鈴木に

キモいよ……別れ話しをキチンとしたくて行ったんだよ…わたし…

昔の彼氏だから…安心して車にも乗ったの…

別れ話しが出たら、アンタがどう思ってようが、もう彼女じゃないでしょ?!

彼女だってね、奥さんだって、女性がダメって言ったら、ダメなの!

…そんな事、常識でしょ…
…なんでそんなクズになっちゃったの?…

イズミの言葉に、鈴木は

ふん、まぁいいや
不感症の女なんかつまんねーからな…

そう、言ったんだ

不感症?…イズミが?
…かなりエロいぜ…イズミ…

思わず、そう言ってしまった…

てっきり、コイツともそうなんだって…思ってたから……

嘘言ってんじゃねーよ…

部屋は暗くしろ、
舐めてほしけりゃ洗ってこい…何様だ…

ちょっと美形だからって、調子こきやがって

……イズミ、失神するぜ…シーツ毎回洗うほどだもん…

そう言ったら

そこは言わなくていいの!
イズミに叩かれた

失神………いいなぁ、なってみたいわ

女子のひとりが自分の彼氏に言ったんだ

…バカ、今そんな話し…

嘘だぁ!!

鈴木の怒鳴り声

……琢磨に勝ち誇りたいの?…
…アンタにバージンあげたのはホントだし…
それなりに好きだったのも、ホントよ…

でもね、琢磨は違うの…

アンタとは出来なかったけど……
琢磨とはスキン使わないよ…
中にされても、嬉しく思うの…


女が本気になったら、何だって出来ちゃうのよ…

そういう相手を見つけてね…私は琢磨を見つけたから
じゃぁね……

イズミ、俺の腕を掴んで、歩き出したんだ

……そして、暫くして、泣き出した…

………ごめん…言えなかったの…

ちゃんとお別れしなきゃって…

……イズミ、そう言って、黙っちゃって、泣いてたんだ……

バカだなぁ…話してくれれば良かったのに…

みんなの手間え、そう言ったけど………腹の中は、煮えくりかえってたんだ

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