《MUMEI》 自殺未遂目覚めたイズミは、事態を思いだし、錯乱してた 俺、黙ってイズミを抱きしめてたんだ また、イズミが嘔吐した 抱きしめたまま 吐いちゃえば、楽になるよ 背中をさすり、そう言ったんだ ……少し落ち着いたイズミに、お水を飲ませたんだ そして、部屋を綺麗にした 新しいシーツにイズミを寝かせたんだ イズミ、俺に背中を向けて、泣いてた その日の夜、おれ、うといとしちゃってたんだ ふと、目が覚めると、イズミが居なかった …イズミ?…イズミ! ダイニングに行くと、イズミが包丁を持ってたんだ イズミ! 離して、死なせて! だめだ、イズミ!ぐぁっ! 指を切っちゃったけど、イズミから包丁を取り上げたんだ 血が、床に滴った それを見て、イズミがまた、発狂したみたいに イズミを抱きしめた 指がドクドクいってた… ………イズミが我にかえって く、薬箱… ……指を切っちゃったけど、イズミが冷静になれたなら… でも、血が止まらなかったんだ …どうしよう… 泣きながら、オドオドするイズミに …縫って… そう、言ったんだ イズミが驚いてた ………病院には行かない、イズミが縫ってくれなきゃ……死ぬな…俺… そう言ったんだ イズミを追い込みたかった 自分の事を、考える暇がないほどに 震える手で、イズミが俺の指を縫ったんだ 針を曲げて、釣り針みたいにして なるべく浅く縫ってね …そ、そんなこと言われても… 早く……血が、なくなっちゃうよ… …3針縫ってもらった 激痛だったけど… その上からサランラップを巻いて テープで固定したら、血は止まって来たんだ イズミの膝枕で、寝たんだ 全裸のイズミの、他の男の精液の臭いがする、イズミの膝枕で… 前へ |次へ |
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