《MUMEI》 真実私と茜は帰りの電車の中で考え込んでいた。 「……まさか…ストーカーが海斗じゃなかったなんてね……」 茜が呟いた。 「―…っ…」 そう。 嫌がらせやストーカーは ずっと海斗がやってると勝手に思い込んでた。 バカだ私……。 私がストーカーされてた期間中、 海斗は数学のテストで赤点を取ったから補習で学校に強制居残りさせられてた。 なのに…海斗がやってるって思い込んで…最低だよ私…。 「…誰なんだろ…犯人」 茜の言葉に鳥肌がたった。 姿がわからないもの程怖いものはない。 ただ、恐怖でいっぱいだった。 「み、美鈴!?泣いてんの!?」 茜は慌てて私の顔を覗き込んできた。 でも、この状況で平然としてられる人なんているかな…。 駅から家まで徒歩10分はかかる道のりを1人で帰るだなんて。 もし茜に送ってもらったとしても、茜の帰り道が危ないかもしれない。 親友を危険な目に合わせるわけにはいかない。 全力疾走で帰れば大丈夫。 なんて…この考えが 既に甘かったのかもしれない……。 前へ |次へ |
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