《MUMEI》
電車の彼
電車の彼だ…!!


こんな状況にも限らず暴れ出す心臓。


「なぁ。助けて欲しい?」


彼は私に言った。

「たっ…助けて下さい!!」


今を逃したら、もう助からない。


「フッ…りょーかい」


鼻で笑ってストーカーを足蹴りした。

「いてぇ!不良相手に勝てるわけない…っ!」


ストーカーは逃げ出そうと彼に背を
向けた瞬間


ドカッ!


「うわっ!?」


ストーカーの背中を軽々と蹴り飛ばした。


「女子高生をストーカーしときながら はいさよなら〜。とかあるわけねーだろ?」


彼は手をズボンに入れたまま

倒れているストーカーに言った。


彼の余裕な態度に安心しきっている私。

彼がなんでここに居るのかわからないけど


声が聞けた。

私を助けてくれた。


それだけで嬉しくて仕方がなかった。

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