《MUMEI》

粗雑な扱いをしてしまう事になるのはどうしてもイヤで なぜなら世界の全てはそうでなくて他のいつでもちゃんとあるはずでも 形ある目に触れるものは確かにそこであるから ぞんざいに流してしまうのはそれがそのまま同じような気持ちに感じられてしまう だからちゃんと時を選びたくて場所を確保したくてそれには先に自身が差し出していなければならなくて ボタンひとつ押すのに力が届かないままなんとかそこまで行こうとしつづける 意識ない場所でもずっと辿りつこうとし続けて結局時も刻み続けてなかなか届かない でもやっぱりあんまり時が離れてしまうのはしたい事ではない 怖いのもいつも少しずつ予見としてある とても耐え切れないもしかしたら他では堪えられても一瞬で押し潰されるような事が起きたら世界は自身がじゃなく無秩序に破壊されて無残に引きはがされる 津波とも地震ともちがう破滅さで 死人の側か残された側かどちらかじゃなく どちらにも存在がなくなっている期間 それが長く続くのは悲惨を極める 何度も知ってきてるけど一度も受け入れたことない 世界のありかがはっきりしているから それは自身で必然的ではなく必然となるように全ての世界を塞いだ自覚した決断の結果 決して何も得ない上に全てを失う事を選んだから その遠い決意の答えが別の形と見える今も結果としてのその症状に至らせる 自身では当然わかっているし理解できる1446

日本みたいで日本じゃない感じだった 彼女の右側頭のほんの一部が彼のなぜか右肩のどこか一点を借りてバスに揺られてた まるで振動が緩和されてるようなひとつも衝撃のない空間で眠ってた つまり電車と同じ向きで窓に背を向けて座っている彼とどうやってかは謎だけど彼女は反対を向いて座って眠りの中に居た 彼は眠ってる彼女をまず起こすでもなく起きてる人に普通に話しかけるみたいにすぐ横で向きを変えて窓の方を振り返って通り過ぎる景色を2つ連続して指差して今からそこへ向かうんだと速くも遅くもない響きで教えた 彼女は眠っている中でもなぜか彼の声は最初の一言めからちゃんとクリアに聞こえていた 眠っていて同時にはっきり聞こえていて声も揺れも支えてる点もいつからそうしてたのかも知らないことも全部がしっくりしていた ここが吸い込む事のできる初めて空気が整った空間だと瞬時に理解した 呼吸をせずでもなぜか生きてきたけど今初めて地球なのか人に適した濃度の酸素が周りを満たしてる空間にいる安全さを享受してる事を直感していた0139-0215-05?15-0953続く

彼女の身体に直接与える苦しみはどれも正当ではない 誤ったもの 必要のないもの 今蝕むもの 本当でなければ傷は入らない 本当じゃない事が罪なのでなく 偽物はそれ以外を侵害する事は許されない2049

自分で殺しておかないとこうなる 自身で自分を先に死なしていなければならない なぜ自身の命の権限を自身が抹殺しなければならないんだろう 生きる唯一の肯定であるはずの自身がそれでしか尊厳を守れない 一番恐ろしい瞬間を一緒にいる事にした そうでない方がいいと堪えられてるかどうかもわからずに越えてきた それはあまりにも計り知れない恐怖 誰も分かって耐えることは選ばない 彼女も当然そうだった 決して受けたりしてはならないはずのものだった だけどそれが現実として襲いかかる 実際に殴られるよりクビを絞められるよりずっともっと恐ろしいこと 何秒息を止めさせられるとか何回苦しさを重ねられるとか何度傷みを与えられるのか 目隠しされていつ襲われるのかわからずにしかし必ず来るその時をずっと待たされ続ける事 人をこれ以上なく侮辱する方法 それでも彼の尊厳を守りたかった そしてもう彼の尊厳には彼女のそれも含んでる その時彼女は感情も人間の機能もない点だから せめて彼そのものでいい 彼と同じでいたい 悲痛なくらいどうかお願いどうかやめてと何回も繰り返す 一切そんな必要のなかったもの まるで無縁のままなはずだった 恐怖になど囲まれるはずなどなかった押し付けられたあやまった世界 直接及びかかってくる身体をきしませて壊していくあってはならない威力2344

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