《MUMEI》

イズミには、バイクの事故?を話さなかった…

あいつ、絶対戻って来ちゃうもん…

だから、順調だよって、話したんだ

真新しい、玄関のドアを見た

奴らは、完全に、暴力にうったえて来たんだ

敵がわからなきゃ、仕掛けられない…

狙われるより、狙う方が有利…

…でも、ひとつわかった

不動産屋は、敵の手じゃない

もうひとつのマンションには、誰も来た痕跡が無かった…

あっちのマンションは秘密がいっぱいだからね…

セキュリティは、高くしてある

人を関知して、作動する防犯カメラに
作動した痕跡はなかった

故障ではない
定期的に、画像を録画して、作動不良があればわかるようになってるからだ

だから、このマンションのドアを直し
ここに居るとアピールしたんだ

向こうに行かれるのは、避けたいからね…

………もうすぐ強制退去だ
…でも、奴らはなんで、あの小さなスナックにこだわるんだろう…

退去してくれたら、金払うって言ってんのに…

居続けたら、逆に未払いの家賃まで、払わされるのにな…
…そんなに客が入ってるようには見えないし…

……行ってみるか

スナックのママが、俺を見て、ビックリしてた

客は二人

カウンターに座り、烏龍茶を頼んだ

それと、レーズンバターも
無い?…メニューにあるのに…

烏龍茶だけが、出された

客じゃないな…
ヤクザ者だ…この2人

何か、打ち合わせでもしてたのかな…

俺、トイレに行ったんだ

そして、カメラを仕掛けた、事前に準備はしてあったんだ

このビルは、俺の持ち物だからね…

他のテナントはみんな出ていっちゃってるから
スナックの上の部屋から電源を引っ張ってあるんだ

解体調査の人達も、出入りしてるから、誰かが何かしてたって、怪しまれない

よし、OKだ…

席に戻ると、パンチパーマのオッサンが

何しに来た

そう言ったんだ

……なくなる前に見とこうかなってね…
…もうすぐだね…強制退去
……てめぇ、おちょくりに来たのか!

もうひとつの男が怒鳴ったんだ

パンチパーマが押さえてた
……恐いなぁ、また、当て逃げされたらかなわねーから、帰るよ、いくら?

スナックのママに聞いた

お代は結構、とっとと帰りな!

あしらうように言われた

…親父が手を出してた?……嘘だな…
親父がロリコンだよ…ましてデブは嫌いだ…
つまみ食いぐらいはするかもしんねーけど、金掛けたりする女じゃねーな…
………金づるにされてたんだろうなぁ…バカ親父…
………ごっそうさん

カウンターに1万円札を置いて、店を出たんだ

すんごい形相で、俺を見てたな…

前へ |次へ


作品目次へ
感想掲示板へ
携帯小説検索(ランキング)へ
栞の一覧へ
この小説は無銘文庫を利用して執筆されています。無銘文庫は誰でも作家になれる無料の携帯・スマートフォン小説サイトです!
新規作家登録する

携帯小説の
無銘文庫