《MUMEI》
キャンピングカー
庁舎から出て来た、佐伯さん兄妹を迎えに行ったんだ
戸籍、復活出来て
一先ずは、よかったね、佐伯さん

ん……あぁ、世話になったな

俺はなんもしてないよ
弁護士さんが動いてくれただけだよ

…琢磨、ありがとね

優香が、笑みを見せ、言ったんだ…
こんな笑顔するんだな…


ん…いや、こちらこそ………イズミが足手まといしちゃって…

あにょ…女子に腕力はムリよ…わたしは優香みたく強くなれないよ

腕力じゃないの
相手の力を利用するのよ

合気道の一派なんでしょ?
はい、あまり、知られていないけど、こちらが本流なんですよ…

難しい話はいいよ
ご飯食べようよ

そう言ったイズミが、俺と佐伯さんの腕に腕を絡めたんだ……プチ嫉妬

……佐伯さんの家にも、ヤクザは押し掛けたんだ

あの家は佐伯さんの親戚の家なんだって…

佐伯さんは、日本人と、養子縁組したアメリカ人同士の子供なんだって

だから、アメリカに親戚も居るけど
戸籍は日本だけなんだって
裏で高木組が操ってた、貿易会社は
佐伯さんのお父さんの会社を、不正に吸収した疑いが強いと、報道でも言ってた……でも…時間がこんなにたってたら…
…取り返せない…

取り返せても……もう、倒産確実だもんな…
…密輸品を大量に扱ってた会社なんて…ね…

ましてや、麻薬まで…

いろんな事実がわかって来た…
まだまだたくさん真実が出てくるんだろうな

……………日をあらためて、佐伯さん達と待ち合わせしたんだ


これ…すげゎな…琢磨

佐伯さんが驚いてた

ん…車も家もメチャクチャだからね…
ホテル暮らしも飽きたし、夏休みだからね

そう言った、俺の腕に抱きついてたイズミが

佐伯さん、静岡行って、広島も、行くんでしょ?
親戚回り、付き合いますよ
そう言ったんだ

俺の家も、メチャクチャだったんだ…

どんな鍵したって、鉄砲で壊されたら…

…家に居たら、死んでたかも…

高木組は、俺たちに報復したんだ

私たちの仲間って、思われたのよね……ごめんなさい…

そう、優香が言ったから

仲間じゃん

笑顔でそう言ったんだ

そして、俺たちは
俺が買ったキャンピングカーで、出発したんだ

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