《MUMEI》

…何を、お望みなのですか?

佐伯さんの質問に

……どちらが勝っても、俺には関係がない、
興味もない…

お前らは、俺から株を譲り受けることと
両親の行くえを知るのが目的なのだろ?…

そこの少年は、雅人の仲間か?…
…仲間とは良いものだなぁ……だが、仲間は裏切るものだ…

中年男がそう言ったんだ

琢磨は裏切らないわ!
お金だって十分すぎるほど持ってる!

イズミが強く、そう言うと
なら、お前の全財産と引き換えとするか?

中年男が言ったんだ

バカを言わないでもらいたい!
仲間を犠牲にしてまで、やろうとは思わない!

佐伯さんの言葉に

…金は、大事だからなぁ………まぁよい
ワザワザ来たんだ

義理のない、高木に譲るより、お前らに譲るとしよう
中年男が言った

…そして

女を差し出せ…

そう、言ったんだ

………一晩で、よろしいのですか?

優香が聞いた

一晩もいらんよ
出しつくしたら終わりだ
…なぁに、直ぐだよ
…ただし、絶対服従が条件だ!

中年男が、そう言ったんだ
こいつ…楽しんでやがるな………ホントに株を手放す気があるのか?…

立ち上がり、奥の部屋へ行った中年男が戻って来た

今は、電子なんとかになってるからな…
…譲渡書だ
金額は、これでいいな?

サインも印もすませてある
ここに名前を書いて、印鑑押して、金を期日までに振り込めば、お前らの物だ

そう言って、見せられた譲渡書…

ちっ、何が金に不自由してないだ…
…足元見やがって…

そう、思ったときだった

雅人には譲らん、ぼうず、お前に譲ろう

中年男が、そう言ったんだ!

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