《MUMEI》
出会い 龍河 side
朝っぱらから学校とか

マジ勘弁だわ……


学校とか行ったってつまんねぇし

女ばっかついて来るし。

どーせこの顔が目当てなだけだろ…


俺はこの顔をひどく嫌ってる。

学校なんか行かないなら行かないでも別によかった。

かといって家に居んのも暇だし。

……俺って暇人だな。

とか思いながらいつもの電車に乗った。


『ドアが閉まります。ご注意下さい』


ドカッ!


ダルいから適当に座った。

……?

初めて見かける女が俺の向かい側の席に座っていた。

見た目は可愛い感じだけど

うつ向いててよく見えねぇ…。

じっと見てんのもキモイよな。


スマホを見ていたが、意識は完全に前の女に集中してた。

チラッと見てみると目が合った。


…………。


可愛いじゃん……

つか、めっちゃ俺のタイプ。


話しかけてみるか?


いや、軽い男とか苦手そうだし

やめた方がいいか。


結局俺は何もしなかった。



それから何日か経ったが…

彼女に会いたいと思ってる自分が不思議だった。


「女に会いたいとか……」


あり得なさすぎて

つい一人言を呟いちまう。


だが、それが現実。

朝の電車の時間が何よりテンションが上がる。

なんつーか…

その時間だけはダルくねぇし、

むしろ気分が良い。


こんな事を女に対して思うのは初めてだ。


かといって、俺は別にタラシでもねぇ。

顔だけに寄って来る女は一刀両断だし、

学校じゃ

『高杉龍河=冷酷不良』とかいう

言葉で通ってるみたいだしな。


しかも気がつくと

いつもあの女の事を考えていた。
                

前へ |次へ


作品目次へ
感想掲示板へ
携帯小説検索(ランキング)へ
栞の一覧へ
この小説は無銘文庫を利用して執筆されています。無銘文庫は誰でも作家になれる無料の携帯・スマートフォン小説サイトです!
新規作家登録する

携帯小説の
無銘文庫