《MUMEI》

 




「…ア、アンタ、それ本気で言ってるの?」









私は理解できなくてまばたきを数回程度しながら問いただす。

そんな私をキョトンとした表情で「本気だけど?」と、当たり前のように返事。












「人を好きになったことないの?」

「黒崎はあるわけ?」

「し、小学校の時…」

「ハハ、それは遊びに似てるね。キスは?ヤッたことは?」

「――なッ!馬鹿なこと聞くな!」

「あぁその反応からして無いわけね。じゃあ君が俺に恋愛に対してとやかく言える立場じゃないと思うんだけど〜?」

「……………」








ッッ悔しい。

馬鹿にしたようにちゃかしたように、けど正しくて……核心をつかれたようでただただ睨むしかなかった。














「怖いな〜でも図星だよね。…ふーんじゃあ付き合ったこともないのかな?」

「………………………」

「……プッ……アハハハ。本気?」

「うるさいなァ!!」










怒りにまかせてまたも大声を出してしまった。周りの突き刺さる視線が背中に集中する。



後悔しながら肩をすくめた










「おもしろい」

「(からかうなッ)」









なおも楽し気に笑い声を含む喋りに苛立ちが募る。












「まぁ大丈夫大丈夫。まだ17だしこれからだよ」

「偉そうに。アンタは付き合ったことあるの?」

「無いよ?」

「はいい!?」

「無いけど性欲はもて余してない」

「………………………ん?」

「だから性よ……「わかった!わかったから言うな!最悪だな!」

「あ、理解できた?意外」










飄々としたいつも通りの態度、


付き合ったことはないけど性欲をもて余してないってことは……そういうこと!?

だから………つまり…………





最悪だ!






「変態」

「酷いな、楽でしょそのほうが」

「順番が違うってわかってる?」

「逆に男ってゆうのわかってる?」






は?

ホント何言ってんだコイツは……








 

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