《MUMEI》

 










「シャーいくぞー!」










聞こえてきたのはネット越しで授業をしている女子のとこから。


よくよく見ればあの黒崎、俺は笑いがこぼれた












「なに笑ってんだ?楓。なんか面白いもんあったか?」











同じように女子のほうを探すように見るのは俺のクラスの神谷、俺は鬱陶しくてそいつから少し離れる












「なんでもないよ」

「え―なんだよソレー、可愛い子でもいた?あ!あの座ってる子可愛い!」

「うるせーな近付くな」

「うわ出た、ブラック楓」

「…………………………」

「え?無視!?ちょ、かえ………ゴフェ!!」











無視した俺に近付いたあのバカは流れ弾に弾き飛ばされた。ハハ、いい気味。












「あーわりわり、大丈夫神谷?」

「大丈夫なわけあるか―!バスケットボールなんだから痛いに決まってんだろ!!」

「だからわりぃって」











今、やっているのはバスケ

俺は赤のゼッケンを着けて試合中だが走らないし協力もしない。ただトコトコ歩いてパスがきたら受け取って渡すだけ。

必死に動くのって嫌いだからさ、














「ごめんねコイツ煩くて」俺は人の良さそうな笑みを浮かべると相手も気さくに笑顔を向ける。












「あ!今度はいい人ぶ……「あーもう試合中なんだからいい子にしてよ神谷〜」











ニコニコニコニコでも神谷を見る目は笑っていない。むしろ機嫌の良くない目だ……


神谷も雰囲気でわかったのか塞がれた口はもう動かない。


やっとボールをぶつけた相手は放れていったので神谷の口を塞いでた手をため息をつきながら離す













「お前、性格悪いな」

「ありがとう」

「で?なに見てたんだよ」

「だからなんでもないって」










しつこい神谷に苛立ちを覚える。















「お前が笑うときって大概何か企んでる時だからな」

「まぁ、………そうかな」

「認めるのかよ……ったく、」













神谷は諦めたのかまた試合に加わった。















 

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