《MUMEI》

 









――――よかった、さっきの話題から逃げられる










「あ、じゃあもう授業始まるし、私はこれで」

「なに言ってるの?」









…………………え?







ダン!と、壁に手をつかれ逃げ出すことが出来なくなった。

まるで少女漫画みたいな展開、だが実際されると冷や汗が流れるほど緊張して顔がひきつる。そんな私とは正反対になにか裏のある笑顔を見せつけながら















「逃げられないよ?」

「………………………」











またも顔がひきつった。
















「最初の話しは持続してるんだよ黒崎、言えっていってんの」

「だからなにもないって!」

「君は気付いてないみたいだから言うけどさ、自分で思ってるより感情が表にあらわれやすいからすぐ嘘だってわかるんだよ」

「……………マジか、」

「あ、やっぱなにか隠してるんだ」

「!!」










墓穴、


いま誰を殴りたいって聞かれたら間違いなく自分自身と胸をはって答えるだろう。ちなみに次に殴りたいのは紛れもなくコイツ、
















「あったとしても関係ないからさ」

「じゃあなんで最初聞いたとき俺の顔そむけたの?」

「……………き、聞かれて思い出したくなかったからつい」

「また顔をそむけたのはなんで?」










も―!なんでコイツはこんなに鋭いんだ!!
なんかキモい!!









すると調度チャイムが鳴った

私はチャンス!と思い言い訳がましく「ほら教室戻らなきゃ」焦って楓の顔を見た。

そんな私をどうでもよさそうにに楓は「じゃ、サボろうか」と、とんでもない案を講じてきた。私は顔を青くする。



ム、ムリムリムリ!そんなことしたら逃げ場ないじゃん!





いやいやと頭を振ればそれが楽しかったのかぐいぐい有無を聞かず腕を引っ張っていく……

















 

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